diary

とある日のごはん日記

小池 純輝 / サッカー選手

小池選手の妻まりかさんがご自宅でつくる実際の食事の様子をご紹介。

朝食
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トレーニングでしっかり動けるように、そして疲れを溜めない為にもしっかりと食べています。

昼食
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お昼は練習後なるべく早く食べる!疲れている時でも食べやすいものを意識して作ります。

夕食
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疲れ具合によって献立を変化させます。普段から油は少なめを意識!

試合二日前からの夕食
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試合前はだんだんと糖質を多くしていく。野菜からも糖質を。ビタミンB1とネギ類を必ず食べています。食物繊維はいつもより少なめに!

試合後の夕飯
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試合後は試合で失った鉄分を補給。タンパク質もしっかり摂ります!活性酸素除去も意識。

おやつ
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ジャガイモで作ったどら焼きは甘さ控えめで体にも優しい。はちみつをかけてミネラル補給。

 
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何でも食べてみる精神がつくった「ケガに強い身体 」

サッカー 愛媛FC
小池 純輝 選手 (サッカー選手)

プロのサッカー選手になりたい!と夢見る子どもたちのあこがれの舞台、Jリーグ。今回お話を聞いたのは、Jリーグ愛媛FCで活躍中の小池純輝選手。およそ50%の選手が、出場試合数50試合未満で引退していくといわれるJリーグにおいて、10年以上ピッチに立っている小池選手に、長きに渡る選手生活と食事に関するお話を伺った。

多忙なジュニアアスリート時代「良いと言われたものは何でも食べてみる」

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小池選手がサッカーを始めたのは、小学生の頃に家の前の公園でサッカー教室をやっていたことがキッカケだった。中学にあがってからはクラブチームに所属し、上の学年のチームと対戦する機会が多くなった。闘争本能に火がつき、サッカー熱は加速。埼玉県の県選抜へも選ばれるようになり、プロ選手を本格的に目指すようになる。

そして高校入学と同時に声がかかり、念願の浦和レッズユースへの入団が決まった。授業が終わり次第、電車で1時間かけて浦和に移動し、毎日夜20時前まで練習にはげむ生活。多忙なジュニアアスリート時代の食生活は、どんなものだったのか伺った。

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「とにかく常にお腹が空いていました。練習前に少しコンビニで買って食べて、家に帰ってから普通に夕飯を食べて、30分後くらいにまた焼きそばをつくって食べていた(笑)。どれだけ食べても太らないし、いくらでも食べられましたね」。

練習はハードで日々の活動量は相当なものだ。成長期で食べ盛りの小池選手に、好き嫌いはあったのか。

「小さいころから両親にいろんなものを食べさせてもらっていたおかげで、好き嫌いはほとんどありません。あと、コーチからのアドバイスなどで良いと聞いた食べ物はどんどん取り入れていましたね」。

あるときコーチから「はんぺん」がたんぱく質の補給に良いと聞いた。母親に伝えると早速翌日の弁当のおかずにいれてくれた。栄養バランスよく、いろいろなものを食べさせ、食べたいと言われれば積極的に取り入れる。そんな食環境は小池選手がプロになるまで続いた。

「管理されていない分、考えるようになった」プロ時代

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高校を卒業後、プロのサッカー選手として活躍するようになってから小池選手はあることに気付いたという。それが自身の「ケガの少なさ」だ。

「先日、足を痛めて2週間ほど休みました。それが10年ぶりくらいの故障だったんです。昔からケガとはほとんど縁がなかった」。

他の選手と比べてもケガが少ない理由について「好き嫌いなく、いろんなものを食べてきたおかげかもしれない」と、話す。プロになってから1人暮らしで自炊をしたり、寮で食事が出るなど様々な環境で生活をしてきた小池選手だが、小さい子供のころからろからの食生活が、アスリートとしての基礎となる身体作づくりに大きく影響した、と感じているそうだ。

さまざまなチームに在籍経験のある小池選手は、各チームの栄養サポートの違いも経験してきた。サポートの内容はチームによってまったく異なるという。管理栄養士がいて1日3食用意してくれるところもあれば、栄養サポートのスタッフが不在のチームもある。とあるチームでは、選手の奥さんを対象にした「食事管理研修」などもあったそうだ。

技術習得やトレーニングに集中したい選手は、自分だけでは食事管理にまで手がまわらないこともある。チームで栄養バランスの整った食事が用意されているのはありがたいことだが、小池選手は栄養サポートのないチームに身を置くようになってから、自分で食べるものを意識するようになったという。

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「体重が増えたら野菜を増やして、脂質や炭水化物は少し減らそう、など目的によってどのように食べたらいいか、自分で考える習慣が身につきました」。

試合に出場するようになり、100%のパフォーマンスを発揮するためにコンディション作りの必要性を感じたことも、食事の内容を意識するようになったキッカケだった。

運動するときは燃料となるエネルギー源が必要、それは炭水化物を摂ることで体の中に蓄えることができる。だから試合の数日前からごはん・パスタ・うどんなど主食の量を増やして炭水化物を多くとり試合当日を迎えるようにする。試合中に全力でボールを追いかけバテずに走り切れるよう、こうした試合直前の食事の工夫は欠かせない。

また食事に関する情報で「良さそう」と感じれば、気軽に取り入れる。頭でっかちにならずにまずは食べて、実践してみる。良い効果が感じられれば続ける。自分のコンディションに向き合いながら試行錯誤は今も続いているというが、食への柔軟な考え方や行動は、子どものころから変わっていないようだ。

料理が苦手だった妻の食事サポート

小池選手の妻、まりかさんに日頃食事作りで意識していることについてお話を伺った。もともと料理は苦手でまったくつくらなかったが、アスリートという職業において食事は大切だと感じ、スポーツ栄養の勉強をして資格もとったそうだ。時期によって必要なエネルギー量も栄養バランスも変化するため、食事の内容を工夫しているという。

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「シーズン中とオフでは1000kcalくらい摂取カロリーが違うんです。オフのときはカロリー控えめに、反対にシーズン中はたんぱく質をたっぷり摂れるメニューにします。試合2日前くらいからはどんどん糖質を増やします。ビタミンB1とネギ類を合わせると糖質がスムーズにエネルギーに変わることを知ったので、そうした知識を生かして栄養計算をしながら食事をつくっています」。

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このようなまりかさんの努力もあって、小池選手は以前に増して食事への意識が高まったという。魚介の美味しい愛媛への移籍で魚料理も好きになった。普段から夫婦間で食事の話題も増えた。試合で最高のパフォーマンスを発揮するため、日々栄養バランスを考えた食事を用意してくれる妻は小池選手にとって心強いサポーターだ。

「メンバーとして試合に出て活躍し続けるためには、自ら勝ちとっていく姿勢と、勝ちとれるだけの身体が必要。だから食事への意識は、トレーニング、休養と一緒に年々高まっていく一方」と、語る小池選手。そこには「サッカーが好き。だからプレイヤーとして楽しみたい」というジュニア時代からの素直なサッカー愛が見え隠れしているように感じた。

ちなみに、子どものころから好き嫌いがないことについては「みんながマズイっていうものを食べられる、好き嫌いしない自分ってかっこいい!と勝手に思っていたのかもしれません(笑)」と、話してくれた。そんな「格好つけ」が小池選手の身体を強くしてくれたのかもしれない。

PROFILE
小池 純輝

小池 純輝(Junki Koike)/ サッカー選手

1987年埼玉県生まれ。高校生で浦和レッズユースに入団。以降、浦和レッズ、ザスパ草津、水戸ホーリーホック、東京ヴェルディ、横浜FC、ジェフユナイテッド市原・千葉など多くのチームに在籍。現在は愛媛FC。ポジションはMFで、サイドハーフやサイドバックを力強く駆けるプレーが持ち味。
ピッチの外においてもフットボールを通じたチャリティー活動や、地域や人を繋ぐスポーツクラブの運営など、スポーツやアスリートの価値を高める活動に積極的に取り組んでいる。
F-connect  https://f-connect.themedia.jp/
WITH SPORT CLUB  http://withspo-club.com/

● 好きな食べ物

ローストビーフ

1分間チャレンジ!

アスリートのための食事のポイント

ハードな練習でバテないための食べ方

ハードな練習でバテてしまう原因の1つにエネルギー切れがあります。エネルギー切れをおこさないためには炭水化物(糖質)を多く含む主食や果物を毎食の食事でしっかりととることが大切です。長時間の練習の場合などは練習前や練習中に補食として炭水化物(糖質)を補給してエネルギー切れを防ぎましょう。

ハードな練習でバテないための食事のポイント

1.毎食+補食で炭水化物(糖質)をしっかりとる

1.毎食+補食で炭水化物(糖質)をしっかりとる

エネルギー源である炭水化物(糖質)は、からだの中で「グリコーゲン」として筋肉や肝臓にためられますが、その量には限度があります。エネルギーが身体の中に十分にある状態で練習ができるように、炭水化物(糖質)を多く含む主食(ごはん、パン、めん類など)と果物を毎食とりましょう。練習がハードな時は練習前の補食でエネルギー補給しておくことも大切です。

2. ビタミンB群をしっかりとる

2. ビタミンB群をしっかりとる

炭水化物(糖質)がエネルギーになるときにビタミンB群が必要となります。
ビタミンB群は水溶性のビタミンで水に溶けやすく汗などと一緒に失われるので、毎食の食事から補給することが大切です。特にビタミンB 1 は不足しがちな栄養素なので、ビタミンB 1 を多く含む食品(豚肉、大豆製品、玄米など)を意識して食べるようにしましょう。

3. 鉄をしっかりとる

3. 鉄をしっかりとる

鉄は酸素をからだ中に運ぶという働きをしていて不足すると持久力低下の原因となります。また、鉄が不足すると貧血となり、貧血になってしまうと治療に時間がかかるので予防が大切です。鉄を多く含む食品は限られていて不足しやすい栄養素なので、鉄を多く含む食品(レバー、赤身の肉や魚、大豆製品、ほうれん草などの青菜類)を意識してとることが大切です。

この食事のポイントを教えてくれた専門家
prof

渡辺 千穂わたなべ ちほ公認スポーツ栄養士・管理栄養士

病院勤務、給食会社で味の素ナショナルトレーニングセンター内の食堂勤務を経てフリーランスとしてフェンシング、レスリング、自転車競技、陸上競技、ビーチバレーなどの選手サポートを行う。